2016.04.07更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

不動産の名義が何十年も前に亡くなった方(被相続人)のままになっているような事案に、時折出会うことがあります。

この場合、そのままでは当該不動産を売却出来ません。なぜなら、亡くなった方(被相続人)が不動産の売主になることは出来ず、不動産を売却するためには相続の登記を行う必要があるからです。

そして、相続の登記を行うためには、その時点で生存している相続人全員の同意が必要となります。

ところが、その方が亡くなってから何十年も経過していると、相続人は何十人にもふくれ上がっているということが、往々にして起こります。これは、その時点ですでに被相続人の子供も亡くなっており、相続人が孫やひ孫の世代にまで拡散することがあるからです。

こうなると、手続は非常に大変になります。

数十人の相続人全員に連絡をとり、同意を取り付けなければならないことは、とても大変なことです。しかも、孫やひ孫の世代になると、お互いに付き合いがない場合も多く、相手がどこの誰であるかもわからないケースもあります。

それでも、そうした人たち全員に連絡をとり、同意を取り付けなければならないのです。

 

ということで、身内の方が亡くなった場合、不動産の名義をそのままにしておくことはお勧めできません。お早めに相続の登記を行うべきです。

また、すでにその方が亡くなってから何年も経過しているような場合、不動産の名義変更がとても大変になっている可能性があります。

この場合、弁護士に相談し対応する必要が出てきますので、まずは初回無料の法律相談(電話 047-367-5301)をご利用いただければと思います。

2016.04.06更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

裁判手続を行う場合、どこの裁判所に申立を行えば良いでしょうか?

これは、裁判の「管轄」の問題になります。そして、裁判の管轄は、どのような事案においてどのような手続を行うのか、によって異なってきます。

 

離婚事件を例にとってみましょう。

妻 千葉県松戸市在住

夫 埼玉県三郷市在住

この夫婦の場合、妻から離婚の調停を申し立てるのは、さいたま家庭裁判所越谷支部となります。これは、調停の場合、相手の住所地を管轄する裁判所で手続を行うのが原則だからです(三郷市を管轄する裁判所は、さいたま家庭裁判所越谷支部となります)。

一方、調停が不調に終わった後、妻から訴訟を起こす場合には、千葉家庭裁判所松戸支部と埼玉家庭裁判所越谷支部のいずれでも手続を行うことが出来ます。

これは、離婚訴訟の場合、相手の住所地だけでなく、自分の住所地を管轄する裁判所でも手続を行うことが認められているからです(妻は松戸市在住なので、住所地を管轄する裁判所は千葉家庭裁判所松戸支部となります。)。

 

離婚事件の場合、時に、夫婦は遠く離れて別居することがあります。

上記の例であればそれ程大きな問題にはなりませんが、夫婦の片一方がもっと遠方(例えば北海道や九州)に居住していた場合、裁判の管轄がどこであるかは切実な問題となります。

 

「どこの裁判所で手続を行えば良いかわからない」という場合など、是非無料法律相談を(電話 047-367-5301)をご利用下さい。

2016.04.05更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

以前、遺言書の効力を裁判で争われるという事案を取り扱いました。

当該遺言書は、公正証書として作成されたものでした。ところが、相手方は、遺言書作成の時点で遺言能力を欠いていたと主張し、裁判を起こしてきたのです。

 

この裁判は、千葉地方裁判所松戸支部で行われました。 

相手方から提出された証拠(病院のカルテや看護記録等)を見ると、遺言書作成以前にその方は脳梗塞を発症しており、言語機能等に相応の障害があったことは事実のようでした。

もっとも、遺言能力とは、言語機能等の障害の程度によって、医学的に単純に判断されるものではありません。

例えば、遺言の内容が複雑であれば、遺言書の作成には高度の能力が要求されます。一方、遺言の内容が単純であれば、遺言書の作成にはそれ程高度の能力は要求されないこととなります。

このように、遺言能力とは、障害の程度と言う医学的判断だけでなく、遺言の内容等も踏まえた「法的判断」なのです。

そこで、私は、当該遺言の内容が単純なものだったことから、「たとえ言語機能等に相応の障害があったとしても、遺言能力に問題はない」と主張しました。

結局、この裁判は判決までもつれ込み、最終的に、遺言書が有効であることが確認されました。

 

遺言書を作成する際には、トラブルを未然に防ぐためにも弁護士への相談が有用です。

また、実際に相続で双方の言い分が異なるような場合にも、弁護士への相談をお勧めします。

是非、無料相談(電話 047-367-5301)をご利用下さい。

2016.04.04更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

先週、埼玉弁護士会の研修に参加しました。

研修のテーマは、「不必要な身体拘束から、いかに早期に被疑者を解放するか」というものでした。

この問題について、埼玉弁護士会は全国的に見ても先駆的な取り組みを実施しています。そして、近年、埼玉弁護士会と千葉県弁護士会は、この問題について情報交換を交わすなど、協力関係を築いています。

そこで、今回の研修には、千葉からも数名の弁護士がお邪魔した次第です。

 

研修会場は浦和だったため、松戸からは1時間少しかかりました。

研修は事例報告を中心としたものでしたが、どの事例でも各弁護人が創意工夫しており、非常に有益な内容でした。

私も、改めて、「しっかり取り組もう」と、決意を新たにした次第です。

 

もしご家族の方などが逮捕勾留された場合、早期の対応が必要不可欠です。

是非、無料法律相談(電話 047-367-5301)をご利用下さい。

2016.03.31更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

少し前に取り扱った中に、妻の不貞が問題となる事案がありました。

この事案では、妻と相手の男性が男女の仲にあることが、証拠上明確な形で残っていました。

それでも、妻と相手の男性は、「男女関係にあったのは事実だが、すでに婚姻関係は破綻しており、不貞には該当しない」と主張しました。

 

確かに、婚姻関係が破綻した後に男女の仲になった場合、法律上「不貞」には該当しないこととなります。

例えば、夫婦が別居し連絡も取り合わなくなってから何年も経過しているような場合、婚姻関係は破綻していたと認められるでしょう。そうした場合であれば、妻が夫以外の男性と男女の仲になったとしても、「不貞」には該当しません。

しかし、上記事案では、夫婦は同居していましたし、分担して家事や育児もこなしていました。そのため、婚姻関係が破綻していると認められるような事案ではありませんでした。

 

上記事案では、妻とは訴訟上の和解が成立しましたが(離婚すること、妻から夫に一定額の慰謝料を支払うこと等を内容とする和解でした。)、解決までは長い時間を要することとなりました。

また、相手の男性とは和解をすることが出来ず、最終的に、千葉地方裁判所松戸支部において、慰謝料請求を認容する判決が言い渡されました。

相手方が争ってきたことから、解決まで時間を要してしまったことは残念ですが、妥当な解決がなされたと思います。

 

不貞問題も含め、ご相談のある方は、初回無料の法律相談(TEL 047-367-5301)をご利用下さい。

 

2016.03.30更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

以前取り扱った中に、会社ぐるみで違法な犯罪行為を行っていたという事例がありました。

詳細は省きますが、その会社の従業員は、業務に関連しある犯罪行為を行うことを、会社の経営者から命じられていました。

従業員らは、業務命令を受けた内容が犯罪行為であることは理解していました。もっとも、当該命令に違反すれば職を失うこともわかっていました。

そのため、従業員らは、業務命令に従い、犯罪行為に手を染めてしまいました。

 

無論、従業員らの行為は許されるものでありません。結果的に従業員らの犯罪行為は露見し、従業員らは刑事罰を受けました。

一方、経営者は直接犯罪行為に携わった訳でなく、刑事罰にも問われませんでした。

しかし、従業員らに犯罪行為を命じることにより、犯罪行為から上がる収益を享受していたのは、経営者です。そのような立場にある経営者が何の責任も問われないことは、果たして正しいことなのでしょうか?

そこで、私は、従業員らの代理人として、経営者を相手にして、千葉地方裁判所松戸支部に損害賠償請求訴訟を提訴しました。

 

この裁判で、経営者は、「従業員らが勝手に犯罪行為を行ったのであり、自分は悪くない」と主張しました。

しかし、裁判の中で、経営者の主張の矛盾点を指摘すること等により、その主張が真実でないことが明らかとなっていきました。

そして、最終的に、経営者から損害賠償金の一部について支払いを受けることで、和解が成立しました。

 

「ブラック企業」という言葉がありますが、もし勤務している会社で、上司から違法な行為を行うよう命令されたら、それを拒絶することの出来る人はどのくらいいるのでしょうか?

このような場合、本当に悪いのは誰なのでしょうか?

犯罪を行うよう命令した経営者なのでしょうか。それとも、そのような命令を拒絶できなかった従業員なのでしょうか。

色々なことを考えさせてくれる事案でした。

 

法律相談がありましたら、初回無料の法律相談(TEL 047-367-5301)をご利用下さい。

 

2016.03.29更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

先週、千葉県弁護士会松戸支部で、刑事弁護に関する研修を実施しました。

内容は、一部執行猶予制度に関する解説と、量刑のあり方についてでした。そして、私は、一部執行猶予制度の解説を行いました。

 

一部執行猶予制度は、今年の6月から始まる新たな制度です。

この一部執行猶予制度がどのように運用されるかは、実は、制度が始まってみないとわからない部分があります。

もっとも、これがどのような制度であるかを知らなければ、いざ制度が始まってから右往左往してしまうこととなります。

日々法制度は新しくなって行きますので、それに対応すべく研鑽を積むことが大事だと、改めて感じた次第です。

2016.03.16更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

昨日、日弁連で刑事弁護に関する研修があり、私は講師を務めました。この研修は「ライブ研修」というもので、当該研修会場(東京)だけでなく、全国各地の弁護士会に中継されるものでした。

私が担当したテーマは、「接見室に電子機器を持ち込み使用することが出来るか」というものでした。

昨今、電子機器の発達には目覚ましいものがあります。そうした便利な道具を、逮捕勾留された人と接見する場面で使用することは、弁護活動を行う上で有用なことです。

ところが、現状、全国各地の拘置所は、弁護人が接見室に電子機器を持ち込み使用することを制限しています。

そこで、このような拘置所の違法不当な措置にどのように対応すべきかについて、講義を行いました。

 

他の講師が担当したテーマは、責任能力が争点となる事案での刑事弁護、あるいは、今年6月から新たに施行される一部執行猶予制度の解説などでした。

どのテーマも興味深い内容で、とても勉強になりました。

2016.03.11更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

以前にもお伝えしましたが、現在、千葉地方裁判所松戸支部では労働審判が実施されていません。

松戸支部管轄の6市(松戸市、柏市、流山市、野田市、我孫子市、鎌ヶ谷市)には、千葉県全体のおよそ20%程度の事業所と労働者が集中しています。当然、松戸支部管内で発生する労働紛争は、相当の数にのぼるはずです。

一方、松戸から千葉地方裁判所本庁まで公共交通機関で行くためには、往復3時間程度かかります(野田市からだと、往復4~5時間程度かかります)。

そうすると、松戸支部管内で発生した労働紛争の場合、労働審判を利用するためには、ほぼ丸一日かけて千葉地方裁判所本庁まで行かなければなりません。これは、労働審判を利用しにくくするもので、司法アクセスに対する重大な欠陥と言う他ありません。

 

労働審判を裁判所の支部でも実施できないかについて、これまで最高裁と日弁連の間で協議が実施されてきました。

その結果、本年1月、新たに3支部(長野地裁松本支部、広島地裁福山支部、静岡地裁浜松支部)で労働審判が実施される旨が公表されました。

従前実施されていた2支部(東京地裁立川支部、福岡地裁小倉支部)と併せて、これでようやく5支部です。しかし、この中に松戸支部は入っていません。

 

最高裁と日弁連の協議は、「新たに3支部で労働審判を実施する」という中途半端な結論を出しただけで、ひとまず終了となるようです。

そうすると、松戸支部で労働審判が実施される日は、まだ先になってしまうのかもしれません。しかし、裁判所は、市民にとって使い勝手の良いものでなければなりません。

今後も引き続き、松戸支部で労働審判が実施できるよう、運動を続けていく必要があります。

 

残業代の請求等、労働関連の問題に関しご相談のある方は、是非無料相談(電話 047-367-5301)をご利用下さい。

2016.03.01更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

先日、私が弁護人を務めていた刑事裁判に、中学生が団体で傍聴に来ていました。

そして、裁判が終わった後、傍聴に来ていた中学生たちと少し話をしましたが、ある子から次のような質問を受けました。「弁護士は、なぜ悪い人の弁護をするのですか?」。

 

無実を主張している人を弁護するのであれば、弁護人の存在意義はわかりやすいでしょう。

一方、被疑者・被告人が判愛を認めている事件では、弁護人の存在意義は少しわかりにくいかもしれません。そのような疑問を持つことは、当然だと思います。

 

もし弁護人がいないまま裁判が行われると、被疑者・被告人の立場から物を見る人は誰もいなくなってしまいます。

刑事裁判も、検察官が被疑者・被告人の責任を追及し、検察官の主張に沿って裁判官が判決を下すだけの手続となってしまいます。

しかし、このような手続が、果たして被疑者・被告人のため(あるいは社会のため)になるでしょうか?

 

被疑者・被告人は犯罪を犯してしまった訳ですが、そこまで至った過程には、何らかの「事情」があるはずです。

そして、その「事情」を取り除くことが出来れば、その人が同じ過ちを繰り返すことを防ぐことが出来るはずです。

弁護人は、その「事情」が何であるかを被疑者・被告人と一緒に考え、その「事情」を取り除くよう努力をします。

そのことによって、被疑者・被告人が立ち直ることが出来るとすれば、そのことは弁護人にとっても大きな喜びとなります。

 

弁護人の役割は他にも色々とありますが、そうした弁護人の活動にご理解いただければと思っています。

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