2015.08.18更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

売買代金や貸したお金など、約束したお金を相手が支払ってくれない場合、どうしたら良いでしょうか?

この場合、まず考えるべきは、相手方に差し押さえるべき資産があるかどうかです。

差し押さえるべき資産とは、例えば、不動産、預貯金、給料等になります。

 

もし相手方に差し押さえるべき資産がありそうな場合、仮差押えという手続きを検討することとなります。

仮差押えとは、裁判を起こす前の段階で、裁判所の指定する担保金を納めることを条件に、相手方の資産を仮に差し押さえる手続きです。

 

仮差押えを行っても、相手方の資産から直ちに配当を得られる訳ではありません。

あくまでも「仮」の差押えなので、相手方の資産から配当を得るためには、その後、裁判を起こし、判決を取得する必要があります。

それでも、仮差押えをしておけば、その間相手方が当該資産を処分することを防げます。そのため、その後裁判をして判決を取得すれば、高い確率で回収を図ることが可能となります。

 

もし約束したお金を支払ってくれなくてお困りの方がいらっしゃいましたら、差し押さえるべき資産の有無を確認した上で、弁護士に相談すると良いと思います。

2015.08.17更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

逮捕勾留された被疑者が事実を否認している場合、弁護士はどのような活動を行うべきでしょうか?

 

最も重要なのは、その方と接見を重ねることです。

接見を重ねることによって、初めてどのような取調べがなされているかという状況が把握でき、弁護士として適切な対処法を助言することが可能となります。

 

多くの事件で、捜査側は、何とか被疑者から自白を取ろうとしてきます。この取調べ対応が、否認事件の場合は重要となります。

この取調べに弁護士が立ち会えれば、その都度、弁護士が適切な対応を行うことが出来ます。

ところが、現状、捜査側は、取調べに弁護士が立ち会うことを認めていません(この取り扱い自体に大きな問題があるのですが、そのことは別の機会にお話しします。)。

そのため、取調べには、被疑者自身が一人で対応する必要があり、接見の際にこの対処法を助言することが、否認事件では特に重要な弁護活動となるのです。

 

私自身、依頼を受けた刑事事件については、接見を重ねることを基本と考えています。

刑事弁護活動を行う限り、この基本をいつまでも忘れてはならないと思います。

2015.08.15更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

弁護士は、なぜ犯罪者の味方をするのですか?

犯罪者の刑を少しでも軽くしようとするのが、弁護士の仕事ですか?

 

時折このような質問を受けることがあります。

確かに、弁護士は、犯罪を犯した人の刑を少しでも軽くしようと努力します。

しかし、私は、自白事件における刑事弁護活動の目的は、その点にはないと考えています。

 

私は、犯罪を犯した人の弁護活動は、基本的に、その人が二度と犯罪を繰り返さないようにすることに向けられるべきと考えています。

そのためには、その人がなぜ犯罪を犯してしまったのかを、冷静に分析検討する必要があります。その上で、その人が犯罪を犯してしまった原因を取り除くべく、活動を行う必要があります。

 

もし、その人が犯罪を犯した原因を取り除くことが出来れば、その人が再び犯罪を犯す可能性は大きく減少します。

そして、再犯の可能性がどの程度あるかという点は、その人の刑を決める上で一つの事情となります。

当然ながら、再犯の可能性が高い人と再犯の可能性が低い人とを比べれば、再犯の可能性が低い人の刑の方が軽くなります。

再犯を防ぐための活動をすることは、結果的に、その人の刑を軽くすることにつながるのです。

 

私は、犯罪を犯した人の刑を軽くすることは、弁護活動の目的でなく結果だと思います。

何よりも大切なことは、その人が立ち直る環境を整え、二度と犯罪を繰り返さないように力を尽くすことだと考えています。

2015.08.13更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

今月初め頃、松戸警察署の留置所に勾留されていた男性が死亡したという報道がありました。

男性に目立った外傷はなく、司法解剖を行って詳しい死因を調査するそうです。

先月末頃には、和歌山県の拘置所で2名の被収容者が熱中症で緊急搬送され、うち1名の方が死亡したという報道もありました。

 

和歌山県の拘置所の件は、熱中症が原因なので、拘置所側で注意をすれば防げた事故と思われます。

非常に残念な事故で、再発防止のために必要十分な対策がとられなければなりません。

一方、松戸警察署の件は、報道だけでは詳細はよくわかりません。

もっとも、留置場内の環境に問題はなかったか、医療体制に問題がなかったか等、こちらもきちんと検証がなされなければなりません。

2015.08.11更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

相続が発生した場合に、まず考えなければならないのは、相続人が誰かということです。

まず、亡くなった方(被相続人)に配偶者がいる場合、配偶者はどのような場合でも自動的に相続人となります。

それ以外の親族については、第1順位「子」、第2順位「親」、第3順位「兄弟姉妹」と、相続順位が定められています。

そして、第1順位の方がいる場合、第1順位の人だけが相続人となり、第2順位、第3順位の人は相続人となりません。第2順位以下の人は、自分より上位の順位の人がいない場合に、初めて相続人となります。

 

相続順位は、その人から別の人に引き継がれることがあります。

例えば、被相続人の子はすでに死亡しているが孫がいる場合、本来の第1順位者は子ですが、この順位は孫に引き継がれます。

この場合、第1順位となる孫がいるため、第2順位以下の人は相続人となりません。

 

具体例を見てみましょう。

亡くなった方(被相続人)に、配偶者と、子2人がいる場合、この3人が相続人となります。

一方、この例において、2人の子のうち1人は亡くなっているが、その人に子(被相続人から見ると孫)がいるような場合、配偶者、存命の子、孫の3人が相続人となります。

 

こうして言葉だけで説明すると色々とややこしいですが、理屈さえわかれば、相続人が誰かを判断することはそう難しいことではありません。

もしご不明な点があれば、お気軽にご相談いただければと思います。

2015.08.09更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

電車内で痴漢に間違われた場合、どのように対処したら良いでしょうか?

「自分は痴漢をしていないのだから、きちんと話し合えばわかるはずだ」。こうした考えから、被害を訴える女性と一緒に駅員室で話し合うべきと考える方も多いようです。

しかし、このような対応は間違いです。駅員室に一緒に行くと、本当は痴漢なんかしていないにもかかわらず、女性側の言い分のみを根拠に十中八九逮捕されてしまいます。そして、そのまま10~20日程度勾留されることが予想されます。

ひとたび逮捕勾留されてしまうと、長期間仕事を休まざるを得なくなります。また、勤務先には、家族の方を通じて仕事をしばらく休む理由を告げなければならないでしょうが、「痴漢の疑いで逮捕勾留されました」とはなかなか言えません。

そのようなことから、逮捕勾留されてしまうと、早く釈放されたいがためにやってもいない痴漢の事実を認めてしまう、となりかねません。

 

こうした事態を防ぐためには、逮捕される前にその場を立ち去ることが一番です。

そうすれば、基本的に逮捕されるようなことはなく、「自分は痴漢をやっていない」ということを正々堂々と争うことが出来ます。

ただし、その場から走って逃げるようなことは、お勧めしません。その場から逃げようとすると、「本当に痴漢をしていたから、逃げたのだ」と受け取られてしまい、後々そのことを不利益に取り扱われるおそれがあります。

そこでお勧めするのが、きちんとご自身の名前や連絡先等を告げた上で(あるいは名刺等を交付した上で)、正々堂々とその場を立ち去ることです。

 

一般的に、痴漢事件は、他の犯罪と比べてえん罪率が高いと言われています。

その一つの原因は、逮捕勾留されてしまうと、一日も早く釈放されたいがために、やってもいない事実を認めてしまうことがあるからです。

松戸やその周辺地域から東京方面に通勤されている方は、常磐線や千代田線などで満員電車に乗り合わせることが多いと思います。万が一痴漢に間違われたとしても、上記を参考に冷静に対処していただければと思います。

2015.08.08更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

誠法律事務所は、来週1週間(8月10日~8月14日)を夏季休業期間とさせていただきます。

業務再開は、土日を挟んだ8月17日(月)からですので、よろしくお願いいたします。

2015.08.06更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

昨日、刑事司法手続きの改正法案が、衆議院の法務委員会で可決されました。これにより、今国会で同法案が成立する見通しとなりました。

しかし、以前にも述べましたとおり、同法案には重大な問題が沢山あります。

 

特に問題が大きいのは、新たに導入される司法取引制度です。

司法取引とは、簡単に言うと、他人が犯罪に関与したことを供述する見返りに、自分の処分を軽くしてもらったりする制度です。

しかし、このような制度だと、自分の処分を軽くしてもらうため、嘘の供述をして第三者を犯罪に巻き込むおそれがあります。

例えば、今年3月に無罪判決が言い渡された美濃加茂市長の収賄事件では、別件の詐欺罪に問われていた会社社長と捜査側との間、事実上の司法取引がなされ、その結果、美濃加茂市長の収賄事件がでっち上げられたとも言われています。

自分の処分を軽くしてもらうため、無関係の第三者を事件に巻き込んでしまう。司法取引には類型的にそのような危険性があり、新たなえん罪を招くおそれがあるのです。

 

元々、今回の刑事司法手続きの改革は、えん罪をなくすという目的のもとで検討が行われてきたはずです。

ところが、その検討の結果、いつの間にか新たなえん罪を生み出すおそれのある制度が出来上がってしまったのです。

 

もしこのような法案が今国会で成立してしまいますと、捜査権限はますます拡大することとなります。

これに対処するため、弁護士には、最新の法改正や実務の運用を踏まえて、えん罪を防ぐための地道な活動が求められることとなります。

2015.08.05更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

もしご家族が借金を残したまま亡くなった場合、どのように対処すれば良いかご存じでしょうか?

この場合の一番簡単な対処方法は、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行うことです。

 

相続放棄を行うにあたって注意しなければならないことは、主に次の2点になります。

 

第一に、相続放棄は、相続の発生を知ったときから3か月間しか出来ないことです。

期間がとても短いので、期間が経過しないよう注意する必要があります。

 

第二に、ある人が相続放棄すると、相続権が次順位の人に移ることです。

相続順位は、第1順位「子」、第2順位「親」、第3順位「兄弟姉妹」となります(「子」「親」「兄弟姉妹」は、いずれも亡くなった方から見た関係になります。)。

そのため、もし子が相続放棄をすると、相続権は親や兄弟姉妹に移ることとなります。その結果、借金もそれらの方に引き継がれてしまいます。

このような事態を防ぐためには、相続権が引き継がれたことを親や兄弟に知らせ、その方たちにも相続放棄の手続きをとっていただく必要があります。

 

上記2点が注意事項ですが、特に重要なのは、相続放棄可能な期間が3か月と非常に短い点です。

しかし、3か月が過ぎてしまっていたとしても、例外的に相続放棄が認められる場合もあります。

このカラクリは、相続放棄可能な期間が、「亡くなった時から3か月」でなく、「相続の発生を知った時から3か月」という点にあります。

例えば、亡くなった時期と、そのことを知った時期にずれがある場合、相続放棄が認められる可能性があります。

また、亡くなった方に財産や借金が全くないと思っていたところ、後に借金の存在がわかったという場合も、相続放棄が認められる可能性があります(この場合、借金の存在がわかった時点が、「相続の発生を知った時」となります。実際に、以前、私は、松戸市在住の方からの依頼により、このような事例を取り扱ったことがあります。)。

 

亡くなったご家族の借金の処理について困っている方がいらっしゃいましたら、いつでもお気軽にご相談いただければと思います。

2015.08.04更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

少し前に、「接見禁止決定」(勾留された方について、弁護士以外の人との面会や手紙のやり取り等を禁止する決定)が付されたものの、当方の異議申立により同決定が解除された事例を紹介しました。

ところが、その後、同じ事案について、千葉地方裁判所で再度接見禁止決定が付されてしまいました。

この方が起訴される際に、検察官が再度接見禁止決定を求め、裁判官がこれに応じて接見禁止決定を発令したのです。

 

一般に、接見禁止決定は、証拠隠滅のおそれが高い場合に発令されます。

そして、起訴された場合、この証拠隠滅のおそれは一般的に低くなります。

なぜなら、起訴されたということは、一連の捜査が終了し、裁判段階に進むことを意味するからです。

裁判を行う上で必要な証拠は、起訴時点でほぼ全て検察官の手元に存在します。

したがって、たとえ証拠隠滅のおそれが問題となるとしても、起訴後はそのおそれは当然低くなるのです。

 

今回問題となった事例は、起訴される前の段階で、すでに証拠隠滅のおそれが高くないと判断されていました。だからこそ、起訴前の時点で、接見禁止決定に対する異議申立が認められていたのです。

それにもかかわらず、起訴と同時に再度接見禁止を求める検察官の感覚が、私には理解できません。

加えて、問題なのは、検察官の請求をそのまま認めてしまった担当裁判官の感覚です。

もしかしたら、担当裁判官は、記録にきちんと目を通さず、一度接見禁止決定に対する異議申立が認められていたのを見落としていたのかもしれません。もしそうだったのであれば、それはそれで重大な問題です。

 

このようなことから、私は、再度、接見禁止決定に対し異議申立を行いました。そして、再度、接見禁止決定に対する異議申立が認められました。

残念ながら、このような問題事例は、今後も発生するおそれがあります。そして、問題が発生すれば、弁護人として適切に対処することが求められていると思います。

前へ 前へ
まずは、無料相談をご利用ください。 弁護士島田亮 TEL:047-367-5301
top_img10_sp.png
直接会って相談する
直接会って相談する