千葉地方裁判所における裁判員裁判
2015.08.31更新
松戸の弁護士の島田亮です。
平成21年より、刑事裁判手続に、一般市民の中から選ばれた裁判員が関与する制度が始まりました。
この制度が始まってすでに6年が経過しますが、全国の裁判所の中でこれまで裁判員裁判が開かれた件数が最も多いのは、実は千葉地方裁判所なのです(第2位は大阪地方裁判所です。ちなみに、東京は、東京地方裁判所と東京地方裁判所立川支部とに事件が分散している結果、千葉地方裁判所ほどの件数にはなりません。)。
この要因の一つとして挙げられるのは、千葉県内に成田国際空港があることです。
裁判員裁判の対象事件の中に薬物(覚せい剤など)の密輸事件がありますが、成田国際空港で摘発される件数が多く、そのことが千葉地方裁判所で行われる裁判員裁判の件数を大きく押し上げているのです。
もっとも、要因はどうやらそれだけではなさそうです。
というのも、薬物の密輸事件を除いて数えても、千葉地方裁判所で開かれる裁判員裁判の件数は、例えば横浜地方裁判所やさいたま地方裁判所よりも一貫して多い傾向にあるからです。
では、その原因は何でしょうか?
犯罪が起こる原因には様々なものがあります。そして、私には、なぜ千葉で裁判員裁判が多いのか、その理由まではわかりません。
このあたりについては、追々検証がなされる必要があると思います。