2015.10.29更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

先物取引業者は、何のために、素人を先物取引に勧誘するのでしょうか?

それは、素人を食い物にし、多額の手数料収入を得たいからに他なりません。

 

先物取引に手を出す方の多くは、いつ、どの程度の売買をしたら良いかの判断を行う能力を備えていません。また、日中仕事をしている方であれば、値動きを逐一チェックし、その都度適切な売買の判断を下すことも出来ません。

そこで、多くの方は、業者から言われるがままに売買を行うこととなります。しかし、これが大きな間違いなのです。

 

悪質な業者は、本来その必要がないにもかかわず、頻繁に売買を繰り返します。

しかし、多くの方は、それが本当に必要な売買なのかどうかについて判断が付かず、業者から言われるがままに売買を繰り返してしまいます。

このように悪質な業者が頻繁に売買を繰り返す理由は、売買を行えば行うほど、業者に手数料収入が入るからです。

悪質な業者は、短期間のうちに売買を繰り返し、多額の手数料収入を稼ぎます(ちなみに、短期間のうちに必要のない売買を繰り返すことを「転がし」と言い、「客殺し商法」の典型とされています。)。

 

中には、損失の大半が業者の手数料だった、あるいは取引自体では利益を上げていたにもかかわらず、業者に対する巨額の手数料のせいで多額の損失が生じた、というケースもあります。

しかも、このようなケースで、多くの方は、損失の大半が手数料だった事実を知りません。そのような方は、純粋に取引自体で損をしたと思っており、業者に食い物にされたという事実を認識すらしていないのです。

 

このように手数料稼ぎのため素人を食い物にする手法は、決して許されることでありません。

2015.10.28更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

先物取引は、少ない金額(証拠金)をもとに多額の取引をすることが出来る「証拠金取引」です。そのため、先物取引は、相場の変動に伴い、予想外に巨額の損害の発生するおそれがあり、非常に危険な取引と言えます。

また、先物取引の仕組みは非常に複雑であり、素人が一度聞いて理解することは困難です。

このように、先物取引は、非常に危険かつ複雑な取引です。知識のない素人が簡単に手を出して良い取引ではありません。

ところが、実際には、知識が全くないにもかかわらず先物取引に手を出していまい、その結果、大きな損失を受ける方が少なからずいらっしゃいます。これは、悪質な業者が素人を食い物にしようとして、あの手この手を使ってくるからに他なりません。

 

悪質な業者は、時に、自宅に繰り返し押しかけてくるなど、執拗かつ迷惑な勧誘を行います。

また、取引の危険性についてきちんと説明せず、逆に「短期間で確実に儲かります」などと調子の良いことばかり言います。

そして、業者からこうした執拗な勧誘を繰り返し受けた結果、根負けして先物取引に手を出してしまう方がいらっしゃるのです。

 

このような執拗な勧誘を行うこと自体が、「自分は悪徳業者です」とアピールしていることに他なりません。

私は、こうした悪徳業者の被害に遭い多額の財産を失った人を、何人も見ています。万が一先物取引について勧誘を受けても、一般の方は、決して手を出してはいけません。

2015.10.23更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

数年前に取り扱った刑事事件の話を、少しさせていただきます。

柏市内で交通事故があったのですが、それをきっかけに男性Aと男性Bが口論となりました。

そして、Bが、口論の際にAから暴行を振るわれて怪我をしたとして、被害の届出をしました。これが傷害事件として立件され、私がAの刑事弁護を担当することとなりました。

 

Bは、怪我に関する診断書を提出していました。そして、検察官は、診断書があるのだからBは怪我をしているし、Bが怪我をしている以上、Aによる暴行があったのだと主張しました。

しかし、私が当該診断書の作成医に確認したところ、その診断に客観的根拠はなく、Bの訴える症状がそのまま診断書に記載されていたことがわかりました。このような診断書では、怪我があった事実の立証としては不十分なはずです。

そうすると、暴行の存在に関する証拠はB供述しかないこととなりますが、B供述には不自然な点が沢山ありました。

さらに、この事件の後、Bは、Aの勤務先に連絡し、不合理な要求を繰り返していました。Bには、交通事故の交渉を有利に運ぶため、殊更に「Aから暴力を受けた」と虚偽の供述を行っている可能性もありました。

 

そこで、私は、診断書が信用できないことやBの話が信用できないことなどを、裁判で主張しました。また、Bに虚偽供述の可能性があることについて、立証を行いました。

その結果、この事件は、一審(千葉地方裁判所松戸支部)では有罪となりましたが、二審(東京高等裁判所)で逆転無罪となり、確定しました。

 

この事件の弁護人を務めている間、私は、「Aが有罪になるはずがない」と考えていました。なぜなら、暴行に関する証拠はほぼB供述しかないところ、B供述にはおかしな点が色々とあったからです。

しかし、最終的には無罪となったものの、一審では有罪となってしまいました。

改めて、日本の刑事裁判官が、いかに無罪判決を書きたがらないかということがわかった次第でした。

2015.10.21更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

もし遺言書に、特定の相続人だけに遺産を相続させる旨が記載されていた場合、他の相続人の方は相続を諦めなければならないのでしょうか?

もちろん被相続人(亡くなった方)の意思は尊重されるべきです。それでも、特定の相続人だけが遺産を相続することは、時に不公平な結論となります。

そのようなことから、民法には、「被相続人の意思」と「相続の公平」とを調整するため、「遺留分」という規定を設けられています。

遺留分とは、遺言により法定相続分を侵害された相続人が、遺産の一部を取り戻すことの出来る権利のことを言います。

 

遺留分は、基本的に、法定相続分の2分の1の割合で認められます(ただし、直系尊属のみが相続人の場合は、3分の1の割合となります)。

例えば、被相続人の配偶者の場合、遺産に対し4分の1の割合(法定相続分2分の1×2分の1)で遺留分が認められます。

また、同じ相続人であっても、兄弟姉妹に遺留分は認められていません。

 

注意しなければならないのは、遺留分の権利は、1年間以内に行使しなければならない点です。

この期間が過ぎてしまいますと、どれほど不公平な内容であっても、異議を述べることが出来なくなってしまいます。

 

実際に遺留分を請求する手続は、なかなか複雑です。また、正確な遺留分額を算定するにも、困難な作業を伴います。

遺留分の行使期間が1年間と短いことからも、遺留分の請求を検討されている方は、早い段階で専門家への相談をお勧めします。

2015.10.16更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

交通事故では、「過失割合」が問題となることがあります。

事故の原因について、どちらか一方にのみ責任が認められる場合、過失割合は100対0となります。

一方、事故の原因についてどちらか一方にのみ責任を負わせることが出来ない場合、過失割合は、例えば90対10になったり、80対20になったりします。

 

過失割合は、実際に支払われる損害額に大きな影響を及ぼします。

例えば、交通事故の総損害額が1000万円だった場合、100対0の事故であれば1000万円全額の損害賠償が認められます。

一方、60対40の事故だった場合、損害額から被害者側の過失割合40%分が割り引かれるので、実際に賠償される金額は600万円にとどまります(このように、被害者側の過失分が割り引かれることを、「過失相殺」といいます。)。

 

過失割合は、実際の事故状況によって変わってきます。

過失割合が問題となりそうな事案の場合、あるいは保険会社から過失相殺を主張されている場合、損害額に大きな影響を及ぼす事柄でもありますので、弁護士に相談することをお勧めします。

2015.10.10更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

昨夜は、千葉県弁護士会松戸支部において刑事弁護の研修がありました。

各弁護士が事例を報告し、経験を共有することを目的とした研修で、私も自分が弁護人を務めた事例の報告をしました。

参加した弁護士は20名前後でしたが、こうした研修に参加すると、他の弁護士がどのような弁護活動を行っているのかを学ぶことができ、非常に有用です。

また、自分自身の事例を報告することによって、自分の弁護活動を他の弁護士の目にさらすこととなり、改めて自身の弁護活動を客観視することが可能となります。

今後もこうした研修に積極的に参加したいと思います。

2015.10.05更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

日常生活をしていると、様々な場面で契約書を交わすことがあると思います。

そして、多くの契約書には、実に細かいことが沢山記載されています。

それらの条項をいちいち読むのは面倒ですし、内容も難しいことが書いてあってよくわからない場合があるかもしれません。そのようなことから、細かい契約条項に目を通さないまま契約書に判を押してしまう方もいらっしゃると思います。

しかし、それがご自身にとって重要な契約であればあるほど、契約条項にはきちんと目を通すべきです。

基本的に、契約書に判を押してしまうと、契約条項を全て了解したこととなってしまいます。そのため、契約条項に不利なことが記載されていると、後々その内容に縛られてしまうこととなりかねません。

 

もし、契約書の内容に不安を覚えたり、契約条項の意味がよくわからないという場合には、弁護士への相談をお勧めします。

弁護士に契約書をチェックしてもらうことによって、本当に契約書を交わしても良いかどうかの判断を適切に行うことが出来るようになります。また、契約条項を適正な内容にしておけば、将来のトラブルを未然に防ぐことも出来ます。

私も、様々な契約書について内容のチェックを依頼されることがありますので、お気軽にご相談いただければと思います。

2015.10.02更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

刑事手続の中において、検察官とは、弁護人から見れば対立当事者となります。

しかし、時には、担当検察官と当該事件について腹を割った協議を行うことが有用な場合もあります。

 

以前、私が担当した事件を紹介します。

その事件の被疑者(女性)は、当該事件よりも前に性的暴行の被害に遭った上、その様子を録画されていました。そして、そのことをネタに男から脅され、意に反し犯罪行為を行ってしまいました。

その女性の犯した犯罪は決して軽微なものでなく、普通に考えれば、起訴されて有罪の判決を受けるのは当然の事案でした。

しかし、女性が犯罪を犯してしまった背景には、上記のような事情がありました。

そこで、私は、担当検察官と何度か協議を行いました。その末に、担当検察官から、次のような言葉を引き出すことが出来ました。

「本来だったら、起訴せざるを得ない事案ですが、何か形を整えていただければ、起訴しない方向で上司に掛け合います。」

そこで、私は、その女性の実母に連絡をとりました。実母は、遠方(東北地方)に在住していたのですが、急遽、松戸まで来ていただき、担当検察官にも面会していただきました。

こうしたやり取りの末に、その女性は起訴されることなく、釈放されました。

 

この事案では、担当検察官と協議をしなければ、起訴は避けられない例でした。

もちろん、担当検察官と協議を行っても、必ずこのように上手く行く保障はありません。中には、木で鼻をくくったような対応しかしない検察官もいます(むしろ、そのような検察官の方が多いかも知れません)。

それでも、中には、被疑者の立場に立って考えてくれようとする検察官もいます。

場合によっては、弁護人は、検察官と腹を割った協議をすべき場面もあると思います。

 

まずは、無料相談をご利用ください。 弁護士島田亮 TEL:047-367-5301
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