2015.09.11更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

ヤミ金から借り入れしている場合、相手がどこの誰かわからず、相手の電話番号しかわからないことが多いと言うことを、少し前にお話ししました。

このように、ヤミ金の電話番号しかわからない場合、相談を受けた弁護士はどのように対処するのでしょうか?

 

私の場合、このような相談を受けた場合、すぐその場で相手のヤミ金に電話をします。その上で、ヤミ金に対する返済義務がないこと等を、電話に出た相手に話をします。

このように、すぐその場で電話をすることは、相談者の方に安心していただく上で重要なことだと考えています。

 

では、弁護士から電話があると、ヤミ金はどうするでしょうか?

多くのヤミ金は、弁護士から電話がかかってきた時点で、それ以上の請求を諦めます。

これは、弁護士を相手にしても支払ってもらえる見通しが立たないので、無駄なことはせずに早々に諦める、という判断に基づきます。ヤミ金なりのビジネスライクな判断と言えるでしょう。

 

その一方で、中には、弁護士から電話がかかってきても、なおもしつこく嫌がらせをしてくる業者もいます。

このようなヤミ金の場合は、1~2週間程度嫌がらせが続くことがあります。

その間、相談者の方には、ヤミ金からの電話を無視し続けたり、家族や職場に事情を説明するなどの対処をお願いすることとなります。

また、警察にヤミ金の被害を届け出たりもします。

 

ヤミ金被害に悩む方は、一日も早く弁護士に相談することをお勧めします。

2015.09.10更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

昨日、千葉地方裁判所で、秘密接見交通権侵害事案の国家賠償訴訟に関する判決がありました。

判決では、原告2名について、それぞれ22万円ずつの請求が認められました。

 

この事案では、検察官が、被告人が留置場内において所持していた書類の提出を求め、弁護人の知らない間に被告人から各書類を提出させました。そして、提出させられた書類の中には、被告人が弁護人宛に書いて出すことを予定していた手紙の下書き等が含まれていました。

しかし、このような書類について、検察官が被告人から提出させることは、断じて許されることでありません。

 

被告人と弁護人間のやりとりは、憲法と刑事訴訟法によって、秘密裏に行われることが保障されています。この権利のことを、「秘密接見交通権」と言います。

この「秘密接見交通権」が侵害されますと、例えば、被告人と弁護人の訴訟戦略が検察官に筒抜けとなってしまい、その結果、防御活動に重大な支障が生じることとなってしまいます。

 

昨日の、千葉地方裁判所の判決は、このような原告側の主張を受け、国(検察官)の行為が違法であると認定しました。

判決の細かい内容には若干不満の残る点もありますが、とにもかくにも国(検察官)の行為を違法と断じた点は評価できます。

 

この裁判には、当初から私も関わってきましたので、国(検察官)の行為が違法と認められたことに、ほっと一安心しました。

今後も、このような判決を一つ一つ積み重ね、違法な捜査を正していく必要があると感じます。

2015.09.08更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

刑事司法手続の改正法案に問題があることは、これまでにも繰り返し指摘してきました。

そして、報道によると、自民党は、今国会で同法案を成立させることを断念したようです。

 

ひとまずは、問題のある法案の成立が見送られたことに、ほっとしました。

もっとも、同法案の審議は次の国会に持ち越され、問題は先送りされただけに過ぎません。

依然として予断を許さない状況は続きます。

2015.09.07更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

ヤミ金から借入をしてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?

私の経験上、一番効果的な対処法は、「ヤミ金からの脅しの電話を無視して、ほとぼりが収まるのを待つ」です。

 

前回お伝えしたように、ヤミ金から借入した方は、相手のヤミ金業者がどこの誰なのかを知らないことが多いです。

そして、ヤミ金側の一番の武器は、実はこの点にあるのです。

ヤミ金側も、自分たちのやっていることが犯罪であることを認識しており、警察に摘発されることを恐れています。

そのため、ヤミ金側は、自分がどこの誰なのか相手に知られないようにすることにより、警察からの摘発を免れようとするのです。

 

例えば、ヤミ金は、「これからお前の自宅や勤務先に行く」と言って脅してくることがあります。

多くの方は、ヤミ金からこのようなことを言われると、恐ろしくて夜も眠れなくなってしまいます。

しかし、私の経験上、それまで電話のやり取りしかしていなかったヤミ金が、実際に自宅や勤務先に来ることは、まずありません。

それは、そのような場所にヤミ金がノコノコと出かければ、警察を呼ばれ、逮捕されてしまう危険性があるからです。

彼らは、そのような危険を冒しません。「電話越し」という安全な場所に身を置いた上で、脅しをかける。これが、彼らの手口なのです。

 

このようなヤミ金の手口を理解すれば、「ヤミ金からの脅しの電話を無視する」という対策の有効性がよくわかると思います。

無論、ヤミ金からの電話を無視すれば、それ以降繰り返し電話がかかってくるかもしれません。また、職場等を事前に教えてしまっている場合、そちらにも繰り返し電話がかかってくることがあります。

それでも、このような電話がいつまでも続くことはありません。

向こうもビジネスとしてヤミ金をやっているのですから、電話をずっと無視されれば、「この人からは、これ以上の回収は無理だ」と考え、諦めることとなります。

 

このように、口で言うのは簡単ですが、実際にヤミ金からの電話を一人で無視し続けることは大変かもしれません。

ヤミ金からの借入でお困りの方は、弁護士によるサポートを受けることをお勧めします。

2015.09.06更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

ヤミ金行為は犯罪であり、許されることではありません。

ところが、少なくない人がヤミ金の被害に遭っている現実があります。

私は、そのような方から相談を受けることがありますが、ここで少しヤミ金の手口を紹介したいと思います。

 

お金に困っていたところ、ヤミ金から勧誘の電話がかかってきたので、藁にもすがる思いで誘いに乗ってしまう。

ヤミ金と取引するきっかけとして一番多いのは、「電話」です。

そして、多くの場合、ヤミ金は、その人と電話でのやり取りしかしません。

さらに、ヤミ金は、自分の名前(ただし、これは偽名や架空の会社名です。)、携帯電話の番号、振込先口座だけを相手に教え、それ以外の情報(例えば、自分の住所や固定電話の番号)は相手に教えません。

そのため、ヤミ金と取引する人は、当該ヤミ金業者がどこの誰なのか、全くわからない訳です。

それでいて、ヤミ金は、相手の情報を詳しく聞き出します。ヤミ金が聞き出す情報の中には、その人の住所、家族構成、勤務先、家族の勤務先等が含まれます。

そして、ヤミ金は、相手に法外な利息の支払いを約束させた上で、お金を振り込んできます。

 

支払期限(多くの場合、1週間や10日程度で期限が来ます。)に約束の支払いが出来ないと、ヤミ金は電話をしてきます。そして、自宅や職場に直接行って取り立てをするなどと言って、脅してきます。

自宅や職場に来られると、ヤミ金から借入をしていることが家族や職場にわかってしまいます。そこで、その方は、それを回避するため何とか金策し、利息の支払いを行います。

しかし、その時は何とか利息を支払ったとしても、またすぐに次の支払期限が到来してしまいます。

その結果、どこかのタイミングで、その人は本当に利息を支払えなくなってしまいます。それでも、ヤミ金は脅しの電話をしてきます。

 

これが、ヤミ金の典型的な手口です。

では、こうしたヤミ金にはどのように対処すれば良いのでしょうか?

これは、また日を改めてお話ししたいと思います。

2015.09.04更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

以前にもお伝えしましたが、7月末に千葉地方検察庁松戸支部が新庁舎に引っ越しをしました。

元々旧庁舎には接見室がなかったのですが、新庁舎には新しい接見室が出来ました。

そして、3日前、初めて新庁舎の接見室を利用しました。

新しくて綺麗な接見室でした。

また、書類を広げるテーブルスペースが十分に確保されており、書類を見ながらの打ち合わせをしやすい構造となっていました。

 

元々、接見室のなかった旧庁舎では、庁舎内の空き部屋で、立会付きの面会(いわゆる「面会接見」)しかできませんでした。

そのため、その場では、弁護活動に関する込み入った話をすることは出来ませんでした。

一方、新庁舎では、立会なしの接見が出来ます。

したがって、捜査側に知られたくない話(例えば、弁護活動上の戦略的な話)も、遠慮なくその場で交わすことが出来ます。

 

ほんの少しだけではありますが、司法インフラが向上し、良かったと思います。

2015.09.01更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

昨日の記事で、千葉地方裁判所における裁判員裁判の件数は全国一だということを紹介しました。

このことが、実は、千葉県内の一部の弁護士に、ある副次的効果をもたらしています。

この副次的効果のことを説明するためには、日弁連の構築している量刑データベースについてお話する必要があります。

 

日弁連では、裁判員裁判を対象とした量刑データベースを構築しています。

これは、個々の事件における個別の事情が、判決においてどのように評価されたか等をデータベース化したものです。

そして、このデータベースを実際に運営するためには、誰かが判決書に目を通し、判決書の内容を分析する必要があります。

 

千葉県内では、この判決書の分析作業を10名程度の弁護士で集中的に行っています。

そして、千葉地方裁判所における裁判員裁判の件数が全国一である結果、この分析作業を担う弁護士は、必然的に誰よりも沢山の判決書に目を通すこととなります。

その結果、この作業を担う弁護士は色々な事件の判決書に接することができるのです。

 

私も、ここ5年間ほど、この分析作業に携わってきました。その結果、その間に目を通した判決書の数も数百件に及びます。

おそらく、全国の弁護士でも、これだけ沢山の判決書に目を通している人は、そうはいないと思います。

こうした作業に携わることで、私自身の経験値が上がり、刑事弁護人としてのスキルアップにつながっていると感じています。

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