松戸の弁護士の島田亮です。
昨年取り扱った中に、勾留請求が却下された事例がありましたので、ご紹介させていただきます。
その件は、電車内の痴漢事案でした。
私は、逮捕された当日に接見に行きました。
その方の話によりますと、「痴漢したことは間違いない」、「実は、それ以前にも繰り返し痴漢をしたことがある」、「痴漢の問題は家族も知っている」、ということでした。
そこで、私はすぐにご家族と面談し、その方の問題点について話し合いをしました。
ご家族の話を聞きますと、その方の問題は根深そうで、精神的な問題があることが想定されました。
その翌日、勾留手続が行われました。
勾留手続とは、検察官が裁判所に勾留請求を行い、裁判官が「勾留相当」と判断をすれば、原則10日間の勾留が決定されるというものです。
その日の朝、ご家族の方が精神病院に相談に行きました。そして、もし釈放されれば、その病院に入院する手はずを整えていただきました。
その上で、私は、ご家族の方を同行して、松戸簡易裁判所で担当裁判官と面談しました。
当方からは、本人に精神的な問題点があることが疑われること、釈放されればすぐに入院する段取りが整っていること等を訴えました。
その結果、担当裁判官は「勾留不相当」と判断し、勾留請求を却下しました。
これにより、その方はその日のうちに釈放され、ご家族が手配した病院に入院しました。
もちろん痴漢は犯罪ですし、痴漢行為を許すことは出来ません。
それでも、単に厳しい処罰をすれば全て解決し、再犯を防ぐことが出来る訳でもないと思います。
時に、刑罰よりも治療が優先される場面もあるのでないか。そのように私は思います。
刑事事件等に関しご相談がありましたら、初回無料の法律相談(TEL 047-367-5301)をご利用いただければと思います。