松戸の弁護士の島田亮です。
前回、通信傍受法が施行された旨をお伝えしましたが、同じ12月1日付で改正刑事訴訟法の一部も施行されています。
この中には、証拠リストの開示制度も含まれています。
「証拠開示」は、これまで弁護士にとって長年の課題でした。
弁護士には、検察官がどのような証拠を抱えているかわかりません。たとえ被疑者被告人に有利な証拠があったとしても、検察官がそれを隠している可能性もあります。
今回施行された改正法では、公判前整理手続に付された事件に限定してではありますが、弁護側から「証拠リスト」の開示を請求することが出来るようになりました。
弁護側は、証拠リストの開示を得ることによって、検察官がどのような証拠を抱えているかを知る手がかりとすることが出来ます。
ただし、この証拠リストの開示にも問題があります。
一番の問題は、証拠リストには、証拠の標目(タイトル)しか記されず、内容が記されないことです。
例えば、「捜査報告書」と記載されるだけでは、その内容がどのようなものかを知ることは出来ません。
このように、証拠リストの開示制度はいまだ不十分なものですが、それでも従前に比べれば少しは制度が前進したものとも言えます。
証拠リストの開示制度に関しても、今後の実務の運用がどのように行われていくか、注視する必要があります。
証拠リストの開示制度については、次の記事もご参照いただければと思います。
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