2016.03.11更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

以前にもお伝えしましたが、現在、千葉地方裁判所松戸支部では労働審判が実施されていません。

松戸支部管轄の6市(松戸市、柏市、流山市、野田市、我孫子市、鎌ヶ谷市)には、千葉県全体のおよそ20%程度の事業所と労働者が集中しています。当然、松戸支部管内で発生する労働紛争は、相当の数にのぼるはずです。

一方、松戸から千葉地方裁判所本庁まで公共交通機関で行くためには、往復3時間程度かかります(野田市からだと、往復4~5時間程度かかります)。

そうすると、松戸支部管内で発生した労働紛争の場合、労働審判を利用するためには、ほぼ丸一日かけて千葉地方裁判所本庁まで行かなければなりません。これは、労働審判を利用しにくくするもので、司法アクセスに対する重大な欠陥と言う他ありません。

 

労働審判を裁判所の支部でも実施できないかについて、これまで最高裁と日弁連の間で協議が実施されてきました。

その結果、本年1月、新たに3支部(長野地裁松本支部、広島地裁福山支部、静岡地裁浜松支部)で労働審判が実施される旨が公表されました。

従前実施されていた2支部(東京地裁立川支部、福岡地裁小倉支部)と併せて、これでようやく5支部です。しかし、この中に松戸支部は入っていません。

 

最高裁と日弁連の協議は、「新たに3支部で労働審判を実施する」という中途半端な結論を出しただけで、ひとまず終了となるようです。

そうすると、松戸支部で労働審判が実施される日は、まだ先になってしまうのかもしれません。しかし、裁判所は、市民にとって使い勝手の良いものでなければなりません。

今後も引き続き、松戸支部で労働審判が実施できるよう、運動を続けていく必要があります。

 

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