松戸の弁護士の島田亮です。
弁護士の重要な業務の一つに、文章を書くことがあります。
では、弁護士の書く文章は、どのような文章であるべきなのでしょうか。
もちろん弁護士は文学作品を書くわけではありません。そのため、弁護士の書く文章に文学性は必要とされません。
これは私見ですが、弁護士が書く文章は、次の2点を満たす必要があると考えています。
第一に、文章のわかりやすさです。
弁護士が文章を書く最大の目的は、自身の主張を読み手(例えば、裁判官)に伝え、読み手を説得する点にあります。
この点、どのように高度な内容が記されていても、それが読み手にとって理解困難な文章であれば、読み手を説得することは出来ません。
読み手を説得するためには、その文章が読み手にとって理解しやすい内容であること、つまり「わかりやすいこと」が必要です。
第二に、文章の論理性です。
実は、裁判には、論理ゲームという側面があります。
そして、裁判の場で弁護士が提出する書面とは、論理の力によって裁判官を説得するための道具なのです。
そのため、読み手(裁判官)を論理の力で説得するためには、自ずとその文章は論理的である必要があります。
私自身、業務上の文章を書く場合は、常に、わかりやすさと論理性を意識するようにしています。
また、若手弁護士や司法修習生(司法試験に合格した後、裁判官、検察官、弁護士になるため研修中の人)を指導する際にも、文章のわかりやすさと論理性を注意するようにしています。
弁護士への委任を検討している方は、もし可能であればその弁護士が書いた文章を読んでみてください。
文章がわかりやすいか。文章が論理的であるか。このようなことも、弁護士を選ぶ際の一つの基準となると思います。