2015.08.24更新

松戸の弁護士の島田亮です。

 

高い専門性を必要とする分野の一つに、医療過誤訴訟があります。

これまで私も医療過誤訴訟を複数件扱ったことがありますが、印象に残っている事件の一つに、あるお産の事故に関する訴訟があります。

 

この件では、赤ちゃんがなかなか産道を降下することが出来ず、吸引分娩が行われました。

その結果、赤ちゃんは無事生まれたのですが、分娩後に母体の出血が止まりませんでした。そして、お母さんは出血性ショック状態に陥り、重度障害が残ってしまいました。

 

この裁判では、出血の原因が何であったかが争われました。

当方は、吸引分娩の際に母体内部を傷つけてしまったことが原因だと主張し、医師側は、弛緩出血(子宮筋収縮力の不良により、胎児娩出後あるいは胎盤娩出直後に見られる出血)だと主張しました。

 

結局、この裁判では、当方の勝訴的和解(当方の主張に沿った内容での和解)により解決することが出来ました。

もっとも、裁判を起こしてから和解に至るまでは、実に3年以上の期間を要しました。

確かに、医療過誤訴訟は専門的であり、裁判所が事案を把握し、適切に判断出来るようになるためには、ある程度時間が必要なのは理解できます(実際に、当方からも、裁判所の理解を助けるため複数の鑑定書を提出し、鑑定医に対する尋問も行うなどしました。)。

それにしても、もう少し早く解決できなかったかという思いも残ります。

医療過誤訴訟ではよく「専門性の壁」があると言われますが、「時間の壁」もあるのだと言うことを、身をもって体験した次第です。

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