松戸の弁護士の島田亮です。
電車内で痴漢に間違われた場合、どのように対処したら良いでしょうか?
「自分は痴漢をしていないのだから、きちんと話し合えばわかるはずだ」。こうした考えから、被害を訴える女性と一緒に駅員室で話し合うべきと考える方も多いようです。
しかし、このような対応は間違いです。駅員室に一緒に行くと、本当は痴漢なんかしていないにもかかわらず、女性側の言い分のみを根拠に十中八九逮捕されてしまいます。そして、そのまま10~20日程度勾留されることが予想されます。
ひとたび逮捕勾留されてしまうと、長期間仕事を休まざるを得なくなります。また、勤務先には、家族の方を通じて仕事をしばらく休む理由を告げなければならないでしょうが、「痴漢の疑いで逮捕勾留されました」とはなかなか言えません。
そのようなことから、逮捕勾留されてしまうと、早く釈放されたいがためにやってもいない痴漢の事実を認めてしまう、となりかねません。
こうした事態を防ぐためには、逮捕される前にその場を立ち去ることが一番です。
そうすれば、基本的に逮捕されるようなことはなく、「自分は痴漢をやっていない」ということを正々堂々と争うことが出来ます。
ただし、その場から走って逃げるようなことは、お勧めしません。その場から逃げようとすると、「本当に痴漢をしていたから、逃げたのだ」と受け取られてしまい、後々そのことを不利益に取り扱われるおそれがあります。
そこでお勧めするのが、きちんとご自身の名前や連絡先等を告げた上で(あるいは名刺等を交付した上で)、正々堂々とその場を立ち去ることです。
一般的に、痴漢事件は、他の犯罪と比べてえん罪率が高いと言われています。
その一つの原因は、逮捕勾留されてしまうと、一日も早く釈放されたいがために、やってもいない事実を認めてしまうことがあるからです。
松戸やその周辺地域から東京方面に通勤されている方は、常磐線や千代田線などで満員電車に乗り合わせることが多いと思います。万が一痴漢に間違われたとしても、上記を参考に冷静に対処していただければと思います。