松戸の弁護士の島田亮です。
逮捕勾留された方にとって、弁護士と接見する機会が保障されることは非常に重要です。
そして、この接見は、「秘密裏」に行われることが保障されなければなりません。
もし検察官や警察官が接見に立ち会った場合、接見内容は捜査側に筒抜けとなります。そうなると、例えばどのような戦略に基づき弁護活動を行うかについて、込み入った協議を行うことは出来なくなってしまいます。
そこで、刑事訴訟法39条1項は、「立会人なくして接見」することを保障しています。このことから、逮捕勾留された方と弁護士とが接見する権利のことを「秘密接見交通権」と呼称したりします。
一般面会の場合は立ち会いが付くのに、弁護士の接見の場合は立ち会いが付かないのは、このような理由によります。
捜査機関が、事後的に、弁護士との接見内容を聞き出そうとすることも、許されません。
この点については、鹿児島地方裁判所平成20年3月24日判決、福岡高等裁判所平成23年7月1日判決などの裁判例があります。
これらの事例では、捜査側が、被疑者を取り調べる際に、接見中に弁護士とどのようなやり取りをしたかを聞き出そうとしました。そして、上記各判決は、このような捜査側の行為の違法性を明確に認定しました。
ところが、捜査機関が接見の秘密性を侵害する事例は、残念ながら後を絶ちません。
現在、千葉県でも、接見の秘密性が侵害された事例について、国家賠償訴訟が起こされています(そして、私も同訴訟に代理人として関わっています。)。
繰り返し言いますが、接見が「秘密裏」に行われることは、とても重要なことです。
全ての捜査機関は、接見の秘密性を十分に尊重しなければなりません。