松戸の弁護士の島田亮です。
逮捕勾留された方には、防御の観点から十分な権利が保障されなければなりません。そして、この観点から最も重要なことは、弁護士と接見する機会が保障されることです。
逮捕勾留された方は、弁護士と接見して適切な助言を受けることによって、自分にどのような権利が保障されているかを把握することが出来ます。また、取り調べの際にどのように対処して良いか等も知ることが出来ます。
捜査側の権力は強大です。一方、逮捕勾留される方の大多数は、刑事手続きについての専門知識を備えていません。
一般の方が強大な捜査権力と対峙するためには、専門家である弁護士と接見する機会が保障されなければなりません。
このように、逮捕勾留された方が弁護士と接見する権利のことを、「接見交通権」と言います。
ところが、実際には、この「接見交通権」が捜査側によって侵害される例が後を絶ちません。
このような違法な捜査に対抗する手段として有用なのが、「国家賠償訴訟」です。「国家賠償訴訟」とは、公権力によって違法な行為が行われた場合に、損害賠償を求める訴訟手続きです。
この「国家賠償訴訟」という裁判の場で捜査側の行為を違法と認定させることによって、これまで何とか接見交通権の保障が確立されてきたという歴史的経緯があります。
実は、私も、かつて自らが原告となって、千葉地方裁判所松戸支部に国家賠償訴訟を提起したことがあります。
また、現時点でも、私は、複数の国家賠償訴訟の代理人を務めています。
こうした「国家賠償訴訟」は全くお金にはなるものではなく、ある種のボランティア活動のようなものです。それでも、弁護士として、接見交通権の保障に向けた活動を行うことは、非常に大切なことだと考えています。