松戸の弁護士の島田亮です。
各警察署には、逮捕勾留された方を留置するための留置施設が設置されています。
この留置施設の運営が適正に行われていることをチェックするため、各都道府県警察では、法律上、外部委員によって構成される留置施設視察委員会の設置が義務づけられています。
そして、私は、昨年度より、千葉県警察における委員を担当しています。
先週、私は、同委員の活動として、松戸からは少し遠方にある2箇所の警察署に行ってきました。
そして、留置担当官からの聞き取り調査、留置施設内部の視察、留置されている方からの聞き取り調査などを行いました。
私が面会した被留置者は、皆、「留置担当官は、忙しい中、丁寧に対応してくれる」と言っており、特に大きな問題は見あたりませんでした。
その一方で、細かい設備の点などについて若干の改善点が見つかりましたので、今後の改善策等について各警察署で協議を行いました。
ところで、各警察署を視察して感じるのは、留置担当官がとても忙しそうな点です。
もちろん、留置担当官は、皆一生懸命職務を果たしているものと思います。
それでも、業務が忙しいと、どうしても「法の最低限の基準さえ満たせばよい」という発想になりがちで、被留置者の人権に真に配慮した留置業務を行うことが困難となります。また、業務の忙しさは、重大なミスが生じる危険性を高める要因でもあります。
こうした問題を抜本的に改善するためには、留置担当官を増員するより他に方策がありません。
ところが、警察では、どうしても捜査担当官の人員確保が優先され、留置担当官の人員配備は後回しにされがちな傾向があります。
何か重大なミスが起こってからでは遅いのです。
私は、留置施設視察委員として、今後も留置担当官の増員を求める活動を行っていきたいと考えています。